2026.10.10 Sat
関市
栃原敏子

栃原敏子 存在、その浮遊する輪郭

インフォメーション

開催期間
2026年10月2日(金)~2026年11月27日(金)
休館日
第2・4土曜日、日祝日
入館料
無料
イベント
〇作家によるギャラリートーク
日時:10月3日(土)13:30-14:30
参加費:無料
申込方法:美術館ホームページのお問合せフォームからお申込みください。
イベント申込フォーム:
https://www.gi-co-ma.or.jp/contact/
〇学芸員によるギャラリートーク
日時:10月31日(土)13:30-14:30
参加費:無料
申込み:不要

概要

栃原敏子は1946年生まれ。神戸を拠点に活動する作家で、武蔵野美術大学で美術を学んだ後、国内外で多数の個展・グループ展を開催し、多くの公募展で受賞するなど、精力的な制作活動を続けています。栃原は、1991年に絵画制作を本格的に開始して以来、豊かな色彩と大胆な表現を通して、愛や平和といった普遍的なテーマを探求し続けていますが、特に阪神・淡路大震災の体験は彼女の制作に深い影響を与え、自然や生命のつながりや人間にとっての希望と再生への想いが作品に色濃く表れています。

本展「存在、その浮遊する輪郭」は、これまで戦争や人間のエゴ、社会に潜む暴力への問いを起点として制作してきた栃原の作品を、近年の新たな思考とともに捉え直す展覧会です。近作において作家の視線は、怒りや悲惨さを描くことから、人と人とのつながり、愛、そして一人ひとりの命の尊さへと移りつつあります。世界の人口と増え続ける死者数を見つめるなかで、栃原は膨大な数字の一つひとつに人間の存在があることを意識し、自らの存在さえも大きな世界のなかで宙に浮くように感じました。その感覚は、近作における筆致や画面のあり方にも現れています。あえて整理しきらない、揺らぎを含んだ表現は、確定された意味や完成された像ではなく、いまここにある存在の不確かさを浮かび上がらせています。

本展では、これらの新作群を中心に、作家の思考と表現の変化をたどります。過去の作品に刻まれた戦争や社会への問いは消えるのではなく、愛と平和という主題を経て、より根源的な人間とは何か、生きるとは何かという問いへと接続されていきます。栃原の新たな表現を通して、その輪郭を見つめ、問い直す場となることを願っています。