2024.05.09 Thu
関市
篠田桃紅

詞花

インフォメーション

開催期間
2008年12月9日(火)~2009年3月28日(土)
休館日
日曜日、祝祭日、12月13日、20~23日、27日~1月4日

概要

 篠田桃紅は、少女時代より古典に親しみ、美しい文章に心ひかれたといいます。1950年代、桃紅は詩を題材にした文字による抽象水墨作品を多く制作しています。好きな歌を思い出しては口ずさみ、紙に書く。桃紅にとってそれは、「書く」という行為ではなく、その意味内容よりもさまざまな情景を想像させる歌とともに心におとずれ、萌したものをかたちにし、「描く」という大切な作業でした。次第に書の文字性をはなれ、新たなかたちを希求し、模索していくその過程のなかでうまれた文字の作品は、桃紅水墨の基底をなすものです。桃紅が求めつづけるものは、自ら生み出したこころの線であり、見る人のこころを深くとめるかたちなのです。
 今回の展覧会では、1950年代に桃紅が書から抽象絵画へ移行する過程のなかでうまれた「文字」の作品を中心に、詩や歌を題材とした作品を紹介します。