2024.05.10 Fri
関市
篠田桃紅

篠田桃紅芸術月間2020 夜雪  夜のいろ

インフォメーション

展示作品数
25
開催期間
2020年1月14日~3月27日
休館日
第2,4土曜日、日曜日、祝日、2/21-25、3/19-23
入館料
無料

概要

篠田桃紅芸術月間2020 夜雪
─墨の仕事をしていて、いつも、墨いろの無限に、無彩限に、ふり廻されるのは、あたり前だと思う。墨は人が手を藉したとはいえ、てんねんの色である。夜の色に通じ、雪の色にかようのに、ふしぎはない。実際に私は墨を使っていて、ふと、雪を感ずることは多いのである。─『桃紅 私というひとり』(2000年)
闇が濃くなるにつれて雪の白さが増すように、墨の黒と余白や胡粉の白が作り出す
無限の美しさは、墨を使って抽象を描く桃紅にとって、色彩における抽象の姿であり、惹きつけて止まないものといえるでしょう。
岐阜現代美術館と関市立篠田桃紅美術空間の2館による協同企画「篠田桃紅芸術月間」は、14回目となります。5歳で墨と筆を手にしてから歩み続けてきた桃紅の創造の旅を、さまざまなテーマでご紹介するシリーズです。
今回の篠田桃紅芸術月間では、「夜雪」と題し、「白」と墨をテーマに墨の美術家、篠田桃紅を語るうえで欠かせない白と黒をご紹介します。また、展覧会にあわせてコンサート、作品鑑賞会などの関連イベントを開催します。

水と墨のなじみぐあい、筆を通しての動きのかげん、紙との触れ合い方、ひとの手のなかから、なにかが繰り出されて、墨に乗り、一つの空間が生まれる。墨いろが生気を帯びて、紙面にただよい、紙背に透るようなときに、夜の闇のけはいは似ている。(『桃紅 私というひとり』2000年)
百年を墨とともに歩む桃紅にとって、冬の夜の闇にこもった静謐な気配は、ほかのなによりも、墨が水となじみ和紙に拡がる姿を思わせるのではないでしょうか。
本展では、墨と和紙が織り成す美しい黒と白のモノクロームをご紹介します。