2024.07.23 Tue
関市

コラム

縦横無尽に舞う墨線

「川」という字は、縦3本と決まっている。5本も7本も書くことはできない。文字には決まりごとがあり、そこからはみ出すことはできない。だが桃紅は、戦後まもなくから縦3本に飽き足らなくなり「縦の線を無数に、...

対をなす線、確かな存在感

光りをはらんだ空間に、一筋の線が走る。 《永劫》と《一瞬》と題されたこの2作品は、2012年、桃紅、白寿の作品である。限りなく続く永遠の時間を意味する「永劫」と、きわめてわずかな時間を意味する「一瞬」...

筆・墨・硯

マンションの階上階下に続く仕事場には、和紙を延べた机の横に、大きな硯、墨洗いの造りつけの棚には、穂が20センチほどもある筆や刷毛が200本以上並んでいる。 さまざまな種類の毛筆の中から、描きたいイメー...

不二

山中湖近くの富士の山裾に桃紅の山荘はある。古い家を移築した山荘は、桃紅が創作から離れた時間を過ごすための空間である。毎年避暑に訪れ、日がな時間を忘れ、富士をただ見て過ごす。日々、一日の内でも刻々と姿を...

墨に生きる ─ 淡墨

和紙に滲み入る淡墨。水と墨のかねあいが生み出すかたち。筆が紙に触れたその一瞬に、作家の意図を超えた水の広がりによって墨に秘められた力が一気に現れる。かろやかな筆の動きが、やがて静かな水と墨の姿に変わっ...

心のふるさと ─ 岐阜・父

あらゆる色を含む墨で独自の抽象表現をする篠田桃紅。岐阜を心のふるさととしてきた桃紅は、2013年3月に100歳の誕生日をむかえる現在も、墨に対する好奇心は果てなく、精力的に制作活動を続け、洋の東西を越...