2024.05.19 Sun
関市
篠田桃紅

篠田桃紅 挿絵の仕事

インフォメーション

展示作品数
37点
開催期間
2018年4月4日~7月13日

概要

  今年105歳を迎えた桃紅が、一貫して追究しているものは、心にきざしたものを目に見えるかたちにしたいという思いです。かたちのないものに、かたちを与える営みは、誰の真似でもない新しい造形への挑戦でもありました。修練された自由な墨線による文字と洗練された抽象のかたちは、独特の味わいを持ち、多くの人々を惹きつけています。桃紅の抽象は、これまで多くの本の装丁や商品ラベル等、多岐にわたり採用されてきました。
桃紅は、1996年9月11日より翌97年4月9日まで読売新聞に連載された小島信夫氏の小説「麗しき日日」(後に「うるわしき日々」と改題)の挿絵を担当し、虚実定めがたい私小説の内容を説明的に描くのではなく、さまざまな抽象のかたちを提示しています。今展では、新聞連載小説「麗しき日日」挿絵原画全204枚のうち30枚と、自身のスタイルを確立し、洗練の度をさらに深めていった1990年代の作品を展示します。