
2016年9月10日
鎌倉生まれ。5歳より母・高橋英子にピアノを習う。東京藝術大学附属高校、同大学を経て同大学院終了。大学院では、ゲオルク・ヴァシャヘーリに師事した。1970年、東京で初リサイタル。1972年、初めてヨーロッパに渡り、ベルリン芸術週間、パリ秋の芸術祭などでリサイタルを開き好評を博す。1973年には内外の現代作品20曲を収録した「高橋アキの世界」(東芝EMI・3枚組レコード)により、昭和48年度芸術祭優秀賞を受賞。1975年より「エリック・サティ連続演奏会」(全12回)を企画構成の秋山邦晴とともに開催。「サティ再発見」の大きな契機となった。その後「エリック・サティ ピアノ全集」(全音楽譜出版社)全13巻を校訂、また「エリック・サティ ピアノ音楽全集」(東芝EMI・CD全8枚)をリリース。1980年、モートン・フェルドマンの招きにより初渡米。以来、アメリカにも数多く招かれ演奏活動を行うとともに、1984年にはカリフォルニア芸術大学で客員教授を務めた。
1983年、第1回中島健蔵賞、1986年、第1回京都音楽賞・実践部門賞を受賞。さらに2002年から東京の浜離宮朝日ホールで開始された‹ピアノ・ドラマティック›シリーズの成果により、2003年、第21回中島健蔵賞を受賞した。
レコーディングにも意欲的に取り組んでいる。現代音楽を代表する世界の作曲家たちにビートルズ・ナンバーを主題とする作品を委嘱した「ハイパー・ビートルズ」シリーズ(東芝EMI)を自ら企画制作・演奏し、CD4枚を完成。その1枚はニューヨーク・タイムズ紙で1990年ベストCDに選ばれた。
2006年春にはベルリンの音楽祭“MaerzMusik”にピアニスト・イン・レジデンスとして招かれた。同年、ニューヨークでのフェルドマン作品によるリサイタルがニューヨーク・タイムズ紙で2006年度のベスト・コンサートの一つに選ばれた。2008年、ケネディ・センターの日本フェスティヴァルでリサイタルほか、世界各地で公演。
CD「シューベルト:ピアノ・ソナタ集」と「モートン・フェルドマン:トリオ」の演奏により平成19年度(第58回)芸術選奨文部科学大臣賞を、またCD「危険な夜-高橋アキ プレイズ ジョン・ケージ」により平成20年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞。平成23年秋の紫綬褒章受章。2014年、第23回朝日現代音楽賞を受賞。
著書に「パルランド 私のピアノ人生」(春秋社、2013年刊)がある。
http://www.aki-takahashi.net/