コレクション

企画展「篠田桃紅 光のあしらい」

こよなく
「こよなく」2001年 墨、銀泥、緑青、金地、和紙

2009年4月9日(木)〜6月20日(土)

篠田桃紅 光のあしらい

 戦後、墨による抽象的な作品を制作し続けている篠田桃紅。墨と金、銀を使った幽玄的な作品を数多く発表しています。金地、銀地の画面は光を孕み、墨の線は表情豊かになり、また時を重ねることによる銀のうつろいは、その画面に一層の深みを与えます。桃紅は、金、銀地の上に描くほかに、金、銀泥による線を描き、画面の中に軽やかなリズムを作り出します。豊かな金、銀の表情が冴える作品中心に紹介します。


●展示作品数  26点

篠田桃紅 (しのだとうこう)

作品一覧 (所蔵作品:100点)  ■略歴

<プロフィール>

篠田桃紅1913年、中国大連に生まれる。岐阜は本籍地。5歳の時、父の手ほどきで初めて墨と筆に触れ、以後独学で書を極める。第二次世界大戦後、文字を解体し、墨で抽象を描き始める。1956年渡米し、ニューヨークを拠点にボストン、シカゴ、パリ、シンシナティ他で個展を開催。58年に帰国して後は、壁画や壁書、レリーフといった建築に関わる仕事や、東京芝増上寺大本堂の襖絵などの大作の一方で、リトグラフや装丁、題字、随筆を手掛けるなど、活動は多岐にわたった。1960年代の激しい筆致はやがて叙情性をたたえ、80年代から90年代にかけては、線はより洗練された間を構成していった。
近年、面と線は寄り添い、朱はあくまで高貴に、墨は静かに鋭く、あるいは控えめに層をなしている。
2005年、ニューズウィーク(日本版)の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた。また同年、5メートルを超える絵画を制作するなど、筆勢は留まることがない。