コレクション

小本章 展 自然へ/自然から


White hole 08-07 奥琵琶湖

 真っ赤なツツジの塊を見つけたというよりも何かを強く感じたといったほうが正解かもしれません。今年の5月末、ウォーキングコースの山科毘沙門堂でのこと。石段を登りきって左に目をやったとき直径1メートルほどの球体のツツジを見つけ「作品になる!」と感じたのです。さっそく家に帰り準備をしてカメラを担いで再び其処へ。
 「写真と美術」の交わる位置に立って制作し始めたのが1974年。以後30年以上続けています。「写真」と「美術」、もしこのカッコを外すことができたらさぞすっきりすることでしょう。風景の手前に流木やキャンバスをセットしてその背景と同色を塗り、静かに対峙しているとやがてイリュージョンが発生し、背景の自然と眼前のオブジェとが溶け合ったように見えてきます。
風景との交感ができることがすばらしい。
 「岐阜現代美術館」が内外に新しい美を発信し続けて、その芸術文化力で日本と関市のイメージアップに貢献するものと確信しておりますし、海外との文化交流が盛んになることを願っています。
 ふるさとでの個展を企画してくださったことは本当にうれしく感謝申します。どうぞご覧ください。

小本 章

White hole 08-01
White hole 08-01

White hole 07-15 牧谿より
White hole 07-15 牧谿より


小本 章 Akira KOMOTO

1935 東京生まれ、岐阜県関市で育つ
1959 VAVAグループ結成に参加
1970 東京移住
1971 岐阜教育大学(現在の岐阜聖徳学園大学)の助教授となる(1974年まで)
1994〜 女子美術大学大学院特別講師
1996 京都移住

●主な展覧会

1965 「現代美術の動向展」:京都国立近代美術館
1983 「現代美術における写真展」:東京国立近代美術館、京都国立近代美術館
1991 個展:デュッセルドルフ市美術館フォーラムギャラリー(ドイツ)
1994−2000 個展:ストラットフォード美術館、ビクトリア美術館、その他5年間カナダ・北米16都市を巡回
1998 個展「風景との交感 小本章展」:岐阜県美術館
1994/1997 個展:ギャラリー・ジャン・ピエーレ・ランベルト(パリ・フランス)
2000/2003 越後妻有アートトリエンナーレ
2004 個展「小本章展」:美濃加茂市民ミュージアム
2005 個展「60年代と現代 小本章展」:加藤栄三・東一記念美術館
2008 個展「自然との交感 小本章展」:碧南市哲学たんけん村無我苑

●主な賞歴

大阪絵画トリエンナーレ「デュッセルドルフ市特別賞」/留学(ドイツ)
「アーティスト・イン・レジデンス フェローシップ賞」/エレクトログラフィア国際美術館(スペイン)
文化庁特別派遣芸術家在外研修/マクラーレン美術館(カナダ)
「現代日本美術展佳作賞」、「日本国際美術展佳作賞」、「東京国立近代美術館賞」その他8美術館賞
「エンバ美術コンクール国立国際美術館賞」
「第2回西武美術館版画大賞展 大賞」

●主なコレクション

岐阜県美術館、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、東京都現代美術館、神奈川県立近代美術館、兵庫県立美術館、東京都写真美術館、パリ国立図書館(フランス)、ヴィクトリア&アルバート美術館(イギリス)、デュッセルドルフ美術館(ドイツ)他


野外公開制作
8月2日(土)「風景との交感装置」
ワークショップ
8月9日(土)「小本 章ワークショップ−カメラ・アイ 不思議な世界」