岐阜現代美術館 関市立篠田桃紅美術空間 共同企画
篠田桃紅芸術月間−2009−
花がたみ

今回で3回目をむかえる岐阜現代美術館、関市立篠田桃紅美術空間による共同企画 「篠田桃紅芸術月間─2009─ 花がたみ」では、展覧会、コンサート、作品鑑賞会などの関連イベントを開催いたします。
5歳のころより父の手ほどきで書を始め、能、和歌などの日本の伝統的な古典に親しんだ篠田桃紅。
桃紅作品の基底には、幼いころより学んだ伝統の書があり、心のかたちを純粋に追い求めた抽象画としてだけでは捉えることのできない、日本の古典美に対する深い造詣に裏付けされた深遠な精神世界にあふれています。
今回の展覧会では、桃紅が心深くとめた詩や万葉和歌などを書き記した「書」の作品に注目し、作品に立ちあらわれた桃紅の持つ繊細で優美な日本の美意識を紹介します。花かごにあふれる色とりどりの花々のように、豊かにそしてやむことのない心のかたち、心の色は桃紅の筆に宿り、すがすがしくのびやかな筆ゆきとなってあらわれます。

『春の園 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つおとめ (春の庭園で、紅色に映える桃の花が樹下を明るく照している道に、出で立った娘よ)』 燃えるくれなゐの桃の花のように、桃紅は独自の水墨の世界を深め、歩み続けています。

岐阜現代美術館関市立篠田桃紅美術空間