第1回〜第3回までの企画展

岐阜現代美術館 第3回 企画展
篠田桃紅 「紅の彩り」

2007年5月1日(火)-8月31日(金)

書を手がけてきた篠田桃紅にとって、落款を押印する際につかう朱は、常に傍らにあるものでした。墨と向かい合い、その厳しさに思うにまかせぬときどき、朱の存在は桃紅にしばしの安らぎを与えてきました。一点の火のごとく墨に寄り添うひそやかな朱、また艶やかに馥郁たるかたちを結ぶ豊穣の朱―本展では「朱」をテーマに絵画作品とリトグラフ約30点をご紹介します。

風の影
「風の影」 1994年
墨、朱、銀泥、金泥、銀地、和紙


初
「初」 1993年
墨、和紙

まつり
「まつり」 1994年
墨、朱、銀泥、カンヴァス


岐阜現代美術館 第2回 企画展
篠田桃紅 「想ーゆりかご」

2007年1月9日(火)-4月27日(金)

墨による抽象表現を続ける美術家、篠田桃紅(1913―)。若き日には書家として、戦後は抽象美術家として、常に独自の道を歩んできました。

桃紅は戦後、書の文字から離れた抽象造形を手さぐりで始め、1956年には単身渡米を果たします。2年にわたる滞米中に、ボストン、ニューヨーク、シカゴなど各地で開催した個展が好評を得て、帰国後は墨を用いた抽象美術家として国内外で作品の発表を続けています。

本展では、桃紅が1950~60年代に制作した作品を中心に展示、書から抽象へと移行する初期の表現に迫ります。
文字の制約から離れて、自由な造形をめざした桃紅の、模索と試行錯誤が繰り返された時代、そこには、やがて桃紅水墨として高い評価を得る独創的な表現の萌芽をすでに見ることができます。
また、桃紅が40年以上続けているリトグラフ作品もあわせてご紹介します。

萩原朔太郎 詩
萩原朔太郎 詩
1950-54年 墨、和紙


Shadows
「Shadows」 1965年
リトグラフ、手彩色

行人
「行人」 1965年
墨、緑青、和紙


岐阜現代美術館オープン記念
篠田桃紅―熱望

2006年9月9日(土)-12月28日(木)

墨による独自の抽象世界を展開する篠田桃紅(1913―)。書家として出発し、しだいに書の領域を超えて、抽象美術家として国内外で活動の場を広げました。岐阜現代美術館のオープン記念にあたる今回の展示では、篠田桃紅の初期作品から近作までをご紹介し、長年にわたる画業を一望します。
初期においては、新しいかたちを求めて文字を解体し、やがて独自の抽象へいたり、さらにそのかたちは研ぎ澄まされていきます。制作を続けるなかで、一貫して桃紅の心にあるのは、新しいかたちを熱望する精神です。それは、書であるか絵画であるのかの枠を超えて、常に作品の根底に息づいています。今も、その筆は凛としてしなやかに、またときには力強くかたちを生みだしています。

熱望
「熱望」 2001年
墨、朱、銀地、カンヴァス

独語
「独語」 1954年
墨、和紙


少年
「少年」 1998年
墨、カンヴァス